【CNN】メーヌ跳躍フランス人病、不思議の国のアリス症候群、そして遊走脾といった疾病が存在する事をご存知だろうか。これら変わった名称の疾病は現在、ほとんど知られてこそいないが、全てが実在する疾病であり、そして今尚いくらかの人々を苦しめている奇妙な疾病の名前である。この度、ナンシー・ブッチャーさんが著したこうした疾病を集めた書籍「The Strange Case of the Walking Corpse (歩く死体の奇妙な症候群)」(AMAZON)にはこれまでほとんど知られる事のなかった不可解な心身の疾病が時系列に沿って紹介されている。「多くの人々と同じで、最初は単なる興味本意でした。昔はお医者になりたいなんて思ってたんですが、実際は本当に恐ろしいし、多分、耐えられないと思って諦めたんです。でも、今でもそういった不思議な病気や聞いた事もない方法でそうした疾病を克服する人々の事に興味があるわけです。」ナンシーは語った。また彼女はこれまで数年来に渡って、こうした不可思議な疾病にまつわる話を収集してきたが、この書籍のタイトルにもなった疾病「歩く死体症候群」という、その不思議な疾病は彼女のそうした探究心に一気に火を付けたのである。(写真は舞台劇「不思議の国のアリス」より)
この「歩く死体症候群」という疾病は1800年代、ジュールズ・コタール博士がその疾病にかかった患者を指して、まる「歩く死体のような」精神障害として記録した事がおそらく最初である。この疾病に冒された患者はまるで身体、あるいは特定の器官が死んだように思い込み、自分の事を既に生きていない、あたかも歩く屍だと思い込んでしまうという症候群で、現在ではコタール症候群とも呼ばれる、精神分裂病や双極性障害(躁鬱)患者に見られる謎の多い疾病である。
また前述の「不思議の国のアリス症候群」と呼ばれる疾病は、患者の身体、空間的感覚が歪められ、時間感覚が変容し、一種の夢幻状態に陥る疾病である。この疾病にかかった患者は身体の一部分や物が異常に巨大に見えたり、逆に異常に小さく感じたりと、その独特な感覚の変容を特徴としている。
さらに「メーヌ跳躍フランス人病」と呼ばれるこのユニークな名前の疾病は予想外の音、あるいは物の出現に対し、尋常でない驚きを示す症候群である。この疾病にかかった患者は驚いた際に腕を振り回して暴れ、泣き叫び、まるで取り憑かれたように同じ言葉を何度も何度も繰り返す、といったとてつもないリアクションを取るのである。この疾病は最初にカナダのフランス系カナダ人の木こり達の間で発見された事が起源とされ、その後、世界で確認されるようになった疾病である。
ナンシーはこうした不可解で不気味なものは常に人々を魅了して止まないと話す。こうした不可解な話題をテレビや本で見る事は、実際の疾病の恐怖とは遠く離れたところで、人々の好奇心を満たすというのである。
「これは人の変わった心理だと思いますね。こうした話題を見る事で、人はある種、癒されるところがあるわけです。"世の中にはこんな恐ろしい病気にかかってる人がいるんだ、、。でも私は大丈夫で良かった"って言う風にね。これは例えば、車の事故を見るのと同じです。"恐ろしい事が目の前で起こっている。だけど、それは自分の事ではない"。そこに恐怖と同時にある種の不思議な安心感が生まれるわけです。恐ろしい病気はそれこそ、テレビの馬鹿げたフリークショーと一緒です。とても恐ろしい、しかし同時に、それは不思議と何とも魅力的なわけです。」
またこの本では他にも膨大な数の変わった疾病や不可思議な症候群が掲載されている。しかし、ナンシーは決してこうした疾病にかかった人々の事を、本の中に描かれるだけの「世界の不思議な出来事」にはしたくない、と話している。「私はこれまで、こうした疾病にかかった人々の事を単に笑い者にしようなどとは一度も思った事はありません。確かにこの本の中に描かれている事は、本当に変わってるし、それでいて魅力的です。ある疾病はほとんど笑い話のようでさえあります。しかし、大部分の疾病はそうではありません。それらが人々の興味を掻き立てるのは、そうした疾病が本当に、これまで誰も聞いた事がないくらい稀であるから、というその一点に尽きるのです。」
しかし、こうした変わった疾病の話題がニュースのヘッドラインを飾る事は、もはや決して珍しいことではないのである。例えば今日よく知られる致死性のエボラウィルスは1990年代、アフリカで猛威を振るうまでは、世間では誰も気にかけることはなかったのである。更に現在では人への狂牛病感染 - クロイツフェルト・ヤコブ病 - が世間の最も注目を集める話題である事は既に周知の通りである。
今日の医学とテクノロジーの進歩で、こうした奇妙な疾病が世間に知れ渡るようになった事は事実である。ペトリ皿に浸された幹細胞から歯が培養され、総入れ歯の代わりとなる日はそう遠くないのかもしれない(参考)。また科学者は人間の四肢機能の再現を研究し、ヤモリの能力すら模倣しようとしている(参考)今日、血液すらも人工的に発生させるようになるのかもしれない。
「未来はきっと魅力的で、そして悲惨なものになるんじゃないかしら。今までと同じようにね。」
ナンシーは語った。
【参考1】異食症 : 今週水曜、英国の医学誌にある異食症の男性のケースが報告された。2002年、フランスの病院にて、猛烈な腹痛を訴える患者(62)を医師が診断したところ、その男性は何と350枚程度の硬貨、そしてネックレスや釘などを飲み込んでいたというものである。男性の家族によれば、男性は精神病を患っていた為、とにかく硬貨をよく食べ、しばしばそうした症状に陥ってはその都度病院を訪れてコインを取り出していたという。5日後、男性は手術を受け、開腹して異物を取り除いたが、胃はほとんど傷だらけの状態で、入院から12日後には死亡した。(写真の白い部分が男性が食べた異物である。異物の重みにより胃が腰の部分まで垂れ下がってしまっているのが分かる。)
男性を担当した緊急医療専門家のブルーノ・フランソワ医師によれば、男性は凡そ10年間にわたって、硬貨を飲み続け、その為家族は男性に決して硬貨や宝石を見せないよう遠ざけたと話している。「彼は他所に行くと、いつもコインを盗んでは食べようとしていたんだ。」と、フランソワ医師は語っている。
この患者の症状は異食症(pica:ピカ)と呼ばれる非常に稀な症状である(医学名はラテン名の「カササギ」が語源、カササギ鳥は何でも口につまむと言われている為)。この異食症の患者が食べようとするものは泥、灰、チョークや石鹸、髪の毛や石鹸、歯ブラシやマッチの燃えカスなど多岐に渡り(参考)、大抵の異物はそのまま胃を通過するが、時に医師によって取り除かなければならないほどの大きなものがあるという。フランソワ医師によれば、以前にはフォークを取り除いた事もあると語っている。またこの症状の患者は子供や妊婦に多いが(参考)、時に精神病として成人に発生するケースもある為、その詳しい原因は未だ解明されていないのである。
【参考2】The Strange Case of the Walking Corpse | 病気志願者―「死ぬほど」病気になりたがる人たち
【参考3】奇病中の奇病「人面瘡(じんめんそう)」 | てんかん関連のコラム | アトピーは現代文明の申し子
予見されていた狂牛病発生より
(前略)1920年代の女性たちはものすごい飢えに襲われていたのです。それまでなかった食人(カリバリズムという)を始めたのです。しかし,それから30年以上経って,彼女たちを奇妙な病気が襲ったのです。それが「クル」だったのです。解剖すると脳がスポンジ状になり萎縮していたのです。原因はこの病気を持っていた人を食べてうつったことから始まったと考えられます。1960年までにこの食習慣は禁止され,この病気は消えたのです。このクルはクロイッツフェルト・ヤコブ病とおなじ病原体とされています。
※そのほか参考リンクは以下「SEE ALSO」欄の関連リンクよりどうぞ
とおりすがりのしがない者でございます
遊走脾だけでなく、遊走腎というのもあります
若い女の人に多いらしく、腎臓は普通、ちょうどわき腹のろっ骨がおわるあたりにあるのですが、それが骨盤の中まで落ち込んでしまうそうです。私が聞いた相手は自然と治ったと言っていました。
あと、コイン350枚飲み込んだ人のレントゲン写真ですが、これは立った状態で撮っているためでもあるのでしょうが、この胃は腰というよりも骨盤に入り込んでいるのではと思います。つまりへそと同じかその下ですので、他の内臓はいったいどうなっていたのやら。
歩く死体ね・・・常人の想像力を遥かに超えてますな。
もう、無茶苦茶ですな。
でも、歩く死体を夢で見たら、極論、意味はグーなのかな?。
つーかこのサイトの記事、トップの写真怖いの多すぎるよ!
いっつもビビリながら開いてる。
投稿するとトップに戻るから2またそこでびっくりですよ。
ちょっと驚かされただけで,やたらにびっくりする病気もあるらしいです。これは遺伝病で,どうしようもないらしいです(高校の生物の先生談)。ヘイポーさんを見るたびにその言葉を思い出してしまいます(笑)。
僕もちっちゃいころ高熱が出ると自分が小さくなるように感じる事ありました。体が小さくなるというより存在が小さくなって消えそうな感じ。隣で寝ている親のところにも行けないような。かなり恐怖心をともないますよね。今でもたまに"感覚"だけ思い出します。
俺もランドセルとか可愛らしい少女など見ると
男性自身が大きくなるっていうか多分幻覚と思うけど、
何つったかそうだルイスキャロル症候群だ。
昔から熱が出ると視界が遠ざかったり、
最近では何もないんだけど遠く見えて
すげー怖いことがある
これって病気だったの?
>こうした不可解な話題をテレビや本で見る事は、実際の疾病の恐怖とは遠く離れたところで、人々の好奇心を満たす
それで、この辺の方が「キョンシー」を覚えていないわけが分りました。