【CANOE】北極圏に位置するバフィン島にて、謎の生物の頭蓋骨が地中から発掘され、科学者らの注目を集めているとのこと。生物を発見したアンドリュー・ジアリル氏によれば、ひと月ほど前、島の中を娘と共に散歩をしていたところ、凍土の中から突き出た頭蓋骨を発見したという。発見された頭蓋骨は成人男性の拳ほどの大きさで、一見するとトナカイの子供の頭蓋骨ような形をしている。しかし研究者によれば、そのサイズにおけるトナカイの子供には角がないため、生物の正体は全く見当がつかないという。これまでのところ、現地の人々の間では、まだ北極が温暖な気候であった数百年前、同地帯に生息していた絶滅種の鹿もしくは羊なのではないかという推測もなされている。
ジアリル氏は今後頭蓋骨をオタワ自然博物館の有名な古生物学者、リチャード・ハリントン氏のもとに送付し、鑑定を依頼するつもりであると語っている。ハリントン氏はこれまで10年以上、エルズミア島でビーバーが生息していた池跡の発掘に尽力した人物である。今から約400万年前のものと見られるその池跡からは現在は既に存在しないビーバーや馬、鹿、狼、熊などの死骸が発見されたという。
またこの四月には、エルズミア島にて一部分が魚、一部分がワニである奇妙な生物の化石が発見され、話題を呼んだ。今から3億7500万年のものと推定されたその化石は、生物がはじめて海から陸へとあがった生物である可能性が高いという。
同地域での研究を続けるメアリー・エレン氏によれば、今回出土したような頭蓋骨はこれまで発見されたことがないと話している。また数年前には同地域に近いパンニルタンの高木限界より標高の高い場所で化石化した木の根も発見されている。彼女は今後、頭蓋骨が発見された地域から、他にも様々な発見があるのではないかと期待しているという。
メアリー氏はまた、最近になり、北極圏に暮らす人々から、これまで同地域では見かけられなかった鳥や昆虫などの目撃情報を数多く受けているという。しかしまた研究者らはこれらの発見が地球温暖化によって生物が北上している可能性を示唆していると推測しており、今回発見された動物の頭蓋骨はかつて北極圏が温暖であった頃、いかなる生物が存在していたか、また今後再び温暖化が進んだ際にいかなる生物が生息しうるかを研究するうえで重要なサンプルになると、話している。
【参考】asahi.com:5500万年前 北極の海面は23度「亜熱帯」 - 社会
- 新しい地動説・ポールシフト
- 生物の水中から陸への進化を伝える化石を発見
- 北極の温暖化が急進展、別の地域では水不足が深刻に
- フューチャー・イズ・ワイルド 二億年後の地球
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