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「20世紀最後の真実」 ― コロニア・ディグニダッドの実態が明らかに チリ

昨年末から続く、チリの大統領選挙に付随して、これまで数十年にわたって謎とされてきた ― またかつてノビーが<エスタンジア>と呼んだ ― ドイツ系カルト・コミュニティ、コロニア・ディグニダッドの全貌が明らかになりつつある模様。

※エスタンジアについての基礎知識はこちらを参照。

colonia_dignidad.jpgDailyJournal/dw-workd】今週水曜、チリの中道左派与党連合議員は、これまで長年、右派連合議員らがチリ南部のドイツ系移民居住地で行われる犯罪的行為を幇助していたという主張を行った。また同地ではかつてのピノチェト独裁政権下において、不当な政治犯の処刑場として使われていた事が明らかにされたという。コロニア・ディグニダッドは1961年、元ナチスドイツ軍人のパウル・シェファー(写真・現在84歳)によって設立された非営利組織である。首都サンチャゴから南に380km程の地点にするその地域の実態は、これまで多くの謎に包まれていた。

しかし今週ホルヘ・セペタ行政長官が行った調査によれば、約4万エーカーの広大な敷地を持つ同地域の中からは、集団墓地が発見され、ピノチェト政権下で葬られた約30人分の遺体が発見されたという。更にこれまでの調査によれば、1978年から79年にかけて、当時の秘密警察、或いは軍隊の指揮下のもと、証拠隠滅の為にそれまでに同地で処刑された遺体が掘り起こされ、焼却、または太平洋に遺棄されたことなどが明らかになっている。またそれら遺体の身元は、かつての独裁政権下で行方不明となった千人以上(クーデター後政権で処刑された三分の一)に上る反体制派の人々である。

上院議員のハイメ・ナランホ氏は水曜の取材に対して(チリの右派政党は)コロニア・ディグニダッドについて、"事実を隠匿し、共謀して黙りを決めこんでいた"とし、今後責任追及をしていく構えを明らかにしている。また、かつて中道右派の国民改進党首のセルジオ・ディエス氏が同地帯の合法性を匿う為に、非営利組織として登録しようとしていた事実を指摘している。ディエスの同僚(前党首)であり、実業家のセバスティアン・ピネラは昨年からチリで行われている大統領選の決選投票を一月一五日に控えている。

コロニア・ディグニダッドの設立者、パウル・シェファーは1996年以来、同コミュニティ内で行われた二〇人以上の児童に対する性的虐待の罪で指名手配され、八年間の逃亡の末、昨年三月アルゼンチン(ブエノスアイレス)で逮捕されてチリへと送還されている。セパタ氏はピノチェト政権下において、シェファーが児童虐待だけでなく、四人の反体制者誘拐に関与していた罪を明らかにしており、コロニア・ディグニダッドとピノチェト政権との関係の裏付けを急いでいるという。

またシェファー逃亡後も同地域内で暮らし、昨年逮捕されたギーゼラ・シーウォルドは、先の裁判において、1975年から78年にかけ、同地域内での病院長を務め、同コミュニティの戒律(同性愛の強要)に反発する児童や大人に対し、拷問や"医学的処置"を行っていたことを既に認めている。

※シェファー逃亡以降、ほぼ壊滅したコロニア・ディグニダッドは、ヴィラ・バヴィエラ(Villa Baviera)と呼ばれていたようである。

- 参考:elmundo.es - El fin de 'Villa Baviera'


"「20世紀最後の真実」の真実"の補足として

今回、大統領選挙に併せて突然浮上してきたこれら一連の事実は、一昨年、南米視察時に上げた結論、<ノビー(※1)が突撃し、あわや殺られかけたのはコロニア・ディグニダッドである>を補足するものであると言える。即ち、ノビーが<ナチス逃亡先>と目し、勢い余って<UFO基地>と主張した<エスタンジア>とはやはり、ピノチェト政権以降、その正体が暴かれつつある<コロニア・ディグニダッド(=気高き移民)>だったということである。

それは端的に言って、まず今回発表された同地域の地理的条件(サンチャゴから南380km、丁度ノビーが指したパラル周辺)、そして時代的、政治的背景との符号(1977年頃)によって裏付けられる。更にパウル・シェファーがチリへと逃亡し、コロニア・ディグニダッドを設立したのがドイツの敗戦(1945)から時を経た1961年だったという点から考えても、やはり同地域が(本当の)エスタンジアであったとは考えづらい。何故ならば、もしノビーの主張が正しければ、ナチス残党の逃亡先として存在したというエスタンジアは、ベルリン陥落前後(1945)、既に存在していたはずであり、上述の事実(1961年コロニア・ディグニダッド設立)とは明らかに矛盾しているからである。

またノビーが同地帯について付近の町役場や新聞社で聞き込みを行った際、地元の人々がその地域について決まって沈黙した理由、そして同地域が何故かチリ当局に野放しにされていた理由は、決して同地域において<ナチス仕込みのものすごい技術でUFOが開発されていた>からではなく、今回明らかにされたとおり、70年代後半、かの地域に住むドイツ人らが時のピノチェト政権(1974-90)の影のフィクサーとして暗躍していたため、政治的にアンタッチャブルな存在であった事が大きな理由であると考えることが出来る。

従って、このコロニア・ディグニダッドが、何らかのネオナチ的思想を維持していた可能性(※2)はあったにせよ(またシェファー逮捕の背景に如何なる政治的圧力、理由があったにせよ)、ノビーが「20世紀最後の真実」で示した<エスタンジア>とは、その実コロニア・ディグニダッドであったという可能性はやはり極めて高いと考えられる(※3)。

しかし公正を期すために付言すれば、少なくともノビーによる同地域の記述自体は、それが<エスタンジア>とは無関係であったという本題に関わる重要な一点を除く限りにおいて、実は<あながち嘘でもなかった>ことは認めるべきであるとも言える(更にそれが本当に同地を訪れての取材であるかどうか、多少怪しい点は留保するとして)。

※1.ノビー=落合信彦(国際ジャーナリスト)の愛称

※2.特にノビーをパラルへと向け、UFO開発説を吹き込んだのは、ネオナチ刑ホロコースト否定論者にして、ナチスUFO開発説の張本人でもあるエルンスト・ズンデルであると言われる。ちなみにズンデルもまた昨年2月、一連の”過激な”主張を理由にカナダからドイツへと強制送還されている。

- The Zundelsite - Dedicated to Ernst Zundel - Prisoner of Conscience

※<エスタンジア>の実際の地域推測については、エスタンジア視察最終報告 - 「20世紀最後の真実」の真実とはを参照。


【参考】南米に逃げたナチ残党
- 捨てられた独裁者ピノチェト
- チリ、ピノチェト軍政下の「失踪」

【関連】X51.ORG : エスタンジア視察最終報告 - 「20世紀最後の真実」の真実とは
- X51.ORG : 危険な南米視察→ただの観光旅行に(視察中間報告)
- X51.ORG : 南米大陸・ディストリクトX緊急視察のお知らせ

2006.01.06

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