【Scotsman】この度、「失われた聖杯」の位置を指し示すと言われる石碑の暗号が、かつてのエニグマ解読者らによってほぼ解読されたとのこと。この暗号は、1748年、英国はスタフォードシアの庭園に建立された石碑に刻まれたもので、フランスの画家ニコラス・プッサンの絵画「アルカディアの牧童(羊飼い)」の鏡像と、"D.O.U.O.S.V.A.V.V.M. "という謎の文字列から構成されている。これまで数世紀に渡り、その謎めいた暗号はかのキリストが最後の晩餐で用いた(あるいはキリストが磔刑になった時その血を受けた)と言われる伝説の「失われた聖杯」の在処が指し示されていると言われ続けてきた。そして今年5月、第二次世界大戦中、独ナチスが開発した当時屈指の暗号機「エニグマ」を破った英国ブレッチリーパーク暗号研究所の元解読班の一人、オリヴァー・ローン氏(86)が全体の指揮を執り、暗号解読作業が開始されたのである(参考)。
ローン氏によれば、解読の結果、碑文を刻んだのは18世紀のキリスト教の異端セクト、シオン修道会(※)の信者であり、暗号の意味するところは、「Jesus (As Deity) Defy」、即ち、キリストの神性を否定し、キリストを俗界の預言者に過ぎないとしたものであるという。
(※Priory of Sion、 テンプル騎士団及び秘密結社フリーメーソンの母体とも言われている。また一部ではダーウィンやニュートンらといった歴史上の有名人もそのメンバーであった言われている。)
今回、この解読予想をブレッチリーパークに送った米国の匿名暗号解読者によれば、碑文に刻まれたメッセージは当時余りにも過激で、物議を醸すものであったため、暗号化されて石碑に刻まれたものであると推測しているという。
また解読者によれば、まず最初に暗号から"Jesus H Defy"というメッセージを導きだし、"H"がギリシャ語における"X"(=キリスト)、もしくは"Messaiah(救世主)"を意味するchiをを指すものであるという予想から、即ち「Christ(キリスト)」を指し、そして石碑が建立された当時の時代背景から、「神としての」と訳す事が可能であると語っている。そのため、碑文全体が意味するところはキリストの神性を否定するものであり、キリスト教に強く反発するものであったため、暗号化されたと結論したという。
更に、この解読から導かれた結論は、同庭園の建立を依頼したアンソン家の逸話やシンボルとも合致するものであり、また碑文の上に描かれたニコラス・プッサン(※)の画も意味を成すものとなると話している。
(※彼はテンプル騎士団団長であったと言われている。またこの画「アルカディアの牧童」は近年世界的ベストセラーとなったダ・ヴィンチ・コードにも影響を与えた。)
そして今回、暗号解読を指揮したローン氏によれば、このキリスト神性批判理論は、まず初期段階で選りすぐられた9つの試論のうちから最も可能性が高いものとして選ばれたものであるという。しかしまた、ローン氏は今回の解読作業を振り返り、「エニグマの数倍は難しかった。また、この解読を以って完全な結論と出来るかどうかは定かではありません」、と話している(写真はローン氏とかつてのエニグマ暗号機)。
「いかなる暗号を解く場合でも、最低限いくらかの文字列が必要なわけです。なので今回のように10文字の暗号ともなると、完全に解読したと確信することは非常に難しくなります。 そしてそれを補う為には、その暗号が作られた時代背景、歴史的経緯も精査する事が必要になるわけです。」
しかしまた、氏は、今回得られた解読結果は、当時この石碑を依頼したアンソン家と秘密結社との関係性を見る限りは、核心に迫るものであると話している。
また氏によれば、今回の暗号解読に際しては、世界中からアイデアを募集したが、その中には数秘学やUFO、ラブレター、更にはノストラダムスと関係させて推測されたものなど、多種多様な解読案が集まったという。また妻のシェイラさん(81、彼女もかつてのブレッチリーパークメンバーである)は、この暗号を妻と妹を失った男性によるロマンチックな追悼文であると予想していた、と話している。
現在、同庭園を管理するリチャード・ケンプ氏は今回の解読の報を受け、「大きな前進だと思います。この石碑、そしてテンプル騎士団と聖杯の謎を繋ぐ初めての具体的な証拠と言えるでしょう」と、語っている。また氏によれば、これまでこのプッサンの石碑は、アンソン家が聖杯と騎士団に興味を示し、(騎士団メンバーである)プッサンの絵画を刻ませたものではないかと推測されていたという。しかし、氏は今回の解読はその予想を超えて、具体的にアンソン家と騎士団の関係を暴いたものであると話している。
【参考】テンプル 騎士団-聖杯伝説 | シオン修道会 レンヌ・ル・シャトーの謎
【参考2】アカデミズム絵画に潜む「神」と「悪魔」 | プッサンの<アルカディアの牧童>より
1656年(〈アルカディアの牧童〉を描いたのは1638-39年)、ルイ14世の財務長官であるニコラ・フーケの兄弟にあたるルイ・フーケはローマにいるプッサンを訪ね、そのときの模様をニコラ・フーケに宛てて次のように書いている。「プッサンのおかげであなたが手に入れる巨利は、たとえ王であっても彼から取り上げることはできないでしょう。しかも彼のことばによれば、今後、これは何世紀かかってもだれにも手に入れられないそうです。これは見つけるのが非常に難しいので、今後、世の中でこれ以上の富は考えられません」。 この手紙がなにを意味しているのか、どうもはっきりとはしない。「巨利」とはいったいなんなのか。「これ以上の富」とはなにを指しているのか。画家であるプッサンがはたしてなにを知っていたというのだろう。プッサンが〈アルカディアの牧童〉で刻んだ「ET IN ARCADIA EGO」という奇妙なラテン語を並び換えると「I TEGO ARCANA DEI」となる。「立ち去れ! 私は神の秘密を隠した」という意味になる。
【参考3】レックス・ムンディ | ダ・ヴィンチ・コード
【関連】X51.ORG : 暗号解読 - エニグマの解読者が失われた聖杯の謎に挑む
※聖杯、エニグマなどについての参考リンクは上記事参照
>いかなる暗号を解く場合でも、最低限いくらかの文字列が
>必要なわけです。なので今回のように10文字の暗号ともな
>ると、完全に解読したと確信することは非常に難しくなり
>ます。
文字多すぎのヴォイニッチ手稿と対照的でおもしろい。
多すぎても少なすぎてもダメってことか。
文字数が少なければ誰だって、難しい暗号作れるわな。
だから今回も暗号彫らせた人の人物像や時代背景から
ある程度何が言いたかったか予想をたてて解読するしか
なかったわけで、あたってるかどうか怪しいと思う。
例えば、今即興で作った暗号↓だけど
htp/26c
多分ここにいる人なら誰か解けると思うが、22世紀の
暗号解読者が束になっても(背景がわからなければ)
絶対解けまい。
短すぎる暗号文に、どんな解説をつけるのかと思ってたけど、
私にとってとても説得力のある説が示されたので、なんか感動しちゃったよ。
まあ、正解かどうかわかんないんだけどさ。
[ >> LINK ] の http: 以降に
26文字(Charactor)あるから
htp/26c = このページそのもの
を指すわけだな。深い。
この前の年末、会社の机の引き出しの底に
マジックで「ばーか」って書いてあったよ。
もちっと暗号っポくしてほしかった。
漏れ会社行きたくないよ。
>>39 いやいや、小学生じゃない?
>>36「…て、言うほうがバカなんだよ!バーカ」って
追加しとけば?子供には同じ目線で相手してやれ。