【Scotsman】今週金曜、BBCラジオ3にて放送が予定されているオーケストラコンサートのハイライト部分にて現代音楽家ジョン・ケージが1953年に発表した問題作「4:33」が放送されるとのこと。同楽曲は4分33秒間に渡る沈黙からなる文字通り無音の音楽であり、演奏者はその間一切の楽器演奏を行わなず、視聴者はただその沈黙と周囲の音に耳を済ませる事を要求される実験的な音楽である。BBCでは現在この楽曲の放映に向け、放送事故が発生した際に代わりの音を放送する緊急バックアップシステムを停止する予定であるという。BBCが「アンビエント・サイレンス」と評す同楽曲はこれまで英国内にてラジオ放送はもちろん、オーケストラによって演奏された事はなく、今回が初演、あるいは初めての「試み」になる。またBBCは同楽曲のテレビ放送も予定しており、視聴者はラジオのみならずオーケストラが同楽曲を「演奏」するのを見る事が出来るだろう、と話している。(写真は4'33演奏中の様子)
【参考】ジョン ケージ 譜面/楽譜/資料 | アメリカ・クラシック音楽関係のリンク集 | ※その他参考はこちらから
4:33つまり秒に直すと273。
物質の熱振動が停止状態である、物理的な温度の下限を絶対零度と言い、それは約-273℃である。
ここからこの曲は名付けられた。
ケージはあらゆるものが停止している究極の静謐を表現したかったのか。
蛇足だが正確な絶対零度は-273.15℃だが曲名としてはいかにも中途半端。
そもそもケージが作曲した当時は絶対零度といえば-273℃ちょうどだった。
4'33で全三楽章です。最初の演奏者であるIrwin Kremenは楽章をピアノの開閉によって示しました。
またCageがKremenにあてた手紙には演奏の際"楽器や時間は問わない"と書いています。4'33は最初の演奏の時間がたまたま4分33秒であったため名付けられました。