【BBC】喜んで虫を飲む人がこの世にいるだろうか?答えはもちろんYESである。アイオワ出身で2児の母、アンナ・グランズさんは現在、「寄生虫は身体にとって必ずしも害悪ではない」という理論に基づく実験的な治療に挑んでいる。そして驚くべき事に彼女の実践は既に実際に効果を示しつつあるのである。今回この画期的な治療を提唱するジョエル・ウェインストック博士は寄生虫が人間の身体にどのように寄生し、そしてどのように作用するのかを調査している。そして結果、予想だにしない衝撃の事実が明らかになったのである。潰瘍性大腸炎とは免疫系の過剰反応によって引き起こされる腸の疾病である。この病気を患うと、白血球は本来人間の器官である腸をあたかも身体外部からの侵入者かのようにみなして攻撃し、腸内に出血を引き起こす。そして患者は猛烈な腹痛と下痢に悩まされるのである。長年この不治の病に苦しんできたアンナさんは、この度、ウェインストック博士が提唱するある実験的な治療テストに参加したのである。その治療とは、コップ一杯に並々と注がれた寄生虫の卵を定期的に飲み干すという実にストイックなものだったのである。
アンナさんは三週間毎にウェインストック博士のクリニックを訪れ、コップ一杯の寄生虫の卵を飲み干す。「普通に薬か何かを飲む事と変わらないわ。それが気持ち悪いとか何だとかもう考えないようにしてるの。今までも本当に必死でいろいろ試したしね。もうとにかく良くなりたい。それだけだわ。」アンナさんは語った。飲み込まれた寄生虫の卵は彼女の体内で孵化して成長し、数週間で体外へと出るという。しかし、実際この処方を始めてからというもの、彼女の腸内に寄生虫がいる限り、彼女は二度とかつてのような苦しみに苛まれることがなくなったのである。
「本当は、我々の身体は常に寄生虫を必要としているからさ。」ウェインストック博士は語る。
欧米では凡そ過去50年に渡って、腸の寄生虫を根絶してきたが、それ以降、我々は免疫系の過剰反応がもたらす各種アレルギーに苛まれている。事実、英国では実に人口の3分の1の人々が何かしらのアレルギーに苦しんでいるのである。
そのため、ここ数年科学者達は腸内の寄生虫とアレルギーの間に何らかの関連があるのではないかと、調査を続けている。彼らの推測では、寄生虫が免疫系を鈍らせて彼らが腸内に寄生しやすい環境を作るために、結果、暴走した免疫系が引き起こす攻撃から腸を守るのではないかと考えたのである。
「まず、寄生虫は人間に生きていてもらう必要がある(宿主が死ねば寄生虫も寄生できないため)。本質的な意味では、寄生虫も我々の身体の一部なんだ。つまり寄生虫の根絶が、この相互依存関係を崩してしまったわけだ。それが皮肉にも今見られるような免疫系の暴走を引き起こしているということさ。でもみんなこの寄生虫を不条理に恐れているわけだ。そりゃ誰だってトイレで用を済ました後、便器の中で何かがうごめくものを見るのは御免だろうけどね。」ウェインストック博士は語った。
そしてここにもう一人、寄生虫の必要性を主張する学者アラン・ブラウン氏がいる。腸内の寄生虫である十二指腸虫(写真)は湿った地面や水滴から皮膚を通して人体に接触、潜入し、そのまま腸へと向かう。そして腸壁に寄生して血を吸うのである。しかし、西欧諸国の文明的な生活下においては適度な寄生は何ら副作用を持たないだろう、とブラウン博士は述べる。また博士は自らの糞便を顕微鏡で覗き、何匹くらいの寄生虫が彼の体内にいるかを調査したという。
「発見した卵の数から察するに、大体僕の腸には300匹くらいの十二指腸虫がいるみたいだね。」
しかし、博士はそこに有益な効果が期待できるという。博士が患っていた花粉症が十二指腸虫によって事実上抑止された事を確認し、そして現在は十二指腸虫の能力を利用した喘息薬を開発しているというのである。
「ああ、妻は怖がってるよ。そのうち私が家族全員に寄生虫を移すんじゃないかってね。」
また寄生虫の効果は人間の健康の増進だけでなく、うちいくつかは更に潜在的な人体への副作用効果を持ち、人間の習慣にさえ影響を与えているのではないかと推測されているという。
例えば、英国人の3分の1はトキソプラズマという寄生虫を脳内に持っていると言われている。トキソプラズマの本来の宿主は猫であり、その猫の糞便を通して他の生物の体内へと寄生するのである。そして事実、トキソプラズマは牛やネズミといったほとんどの哺乳類の体内から検出できるという。また人体への最も多い感染源は生肉である(ちなみにフランス人の80%はこの寄生虫を持っていると言われているが、それは彼らは生肉を好んで食べるからである。)。そして、トキソプラズマは一旦我々の体内に寄生したらば、我々は死ぬまその寄生虫を体内に抱えることになる。それは決して取り除く事ができないのである。
そして研究によれば、そのトキソプラズマの宿主にもたらす効果がネズミの習性 - 最大の天敵である猫に自ら寄り付くという不思議な習性- の原因を説明するのではないかと推測されるという。つまりネズミはトキソプラズマの脳内への作用によって、自らわざわざ猫に寄り付き、ネズミは食べられ、トキソプラズマが寄生虫としてのサイクルを完結させているというのである。
これまで、科学者達は寄生虫は人間の習性へは影響しないものだと結論していた。しかし、現在になって寄生虫はその考えを変え始めているようだ。最新の研究によれば、トキソプラズマを脳内に持った人は、持たない人に比べてより動作の反応が遅いという結果が出ているという。そしてそのひとつの症例として、トキソプラズマに寄生された人は寄生されていない人に比べ、交通事故に巻き込まれる可能性が2倍であるという調査結果が示されているのである。
【参考】寄生虫病(ややハード、注意) | 人獣共通感染症の予防
【関連】ナメクジは食べないで 豪 | 健康の秘訣は土食いにあり 中国 | 健康の秘訣は生ミミズにあり タイ
あなたの顔に潜む生き物 | 今なお続く寄生虫の被害・ギニア虫
細菌は排便時にしか排出されないけど、
寄生虫はトンデモナイ時に出てきたりして、
そのへんが嫌われる要因のように思えます。
関係無いような気もするけど・・・、かたつむりの寄生虫「レウコクロリディウム」はかたつむりの行動を支配して鳥に食べさせるという話を聞いたことがあります。
僕の難病の潰瘍性大腸炎が、完治したみたいです。 ということで、昨日は、中華料理屋で食べていたし、 今日は、職安に行ってきたし。だんだん、健全になってきました★ あとは、この治療法が、一秒でも早く、認可されれば良いだけです。 僕が飲んだ抗菌薬の種類の組み合わせは、 アクロマイシンV、パセトシン、フラジール です。 一秒でも早く、多くの患者さんが治れば良い。 順天堂大学病院で、治験を受けた 元患者より。