【CBSNEWS】米ウィスコンシン州はミルウォーキーで自閉症の子供(8)が教会のエクソシストによる除霊儀式の最中に変死したとのこと。少年の祖母らは少年への暴力があったことを主張しているものの、教会側ではそうした事実はなく、現在警察が調査中であるという。金曜の晩、教会で除霊の儀式を執り行った聖職者は現在、殺人への関与の疑いで拘束中であるという。同教会で司教を務めるDavid Hemphill氏によれば、少年の母親Patricia Cooperさんは週三回に渡って少年を教会に連れて行き、そのたびに除霊の儀式を執り行っていたという。そしてその日は、儀式が始まって1時間ほど経ったところで突如少年が動かなくなり、また助けを呼ぶ声もしなくなったため信者が確認したところ少年は突然死亡していたというのである。
少年の祖母Mary Luckettさんは、教会側に何か暴力があったと話しているが定かではない。Hemphill司教は「我々は確かに、少年を死ぬほどに苦しめていた邪悪な霊を取り除こうと神に祈ったよ。確かに皆で強く祈ってはいたが、まさか殺すためであるはずがない。」と話している。
警察の発表によれば少年の名前は公表されず、また検死解剖の結果は明らかにされていないものの、現在までの調査では確かに少年が殴られたり蹴られたりしたという事は考えにくいという。儀式の際、少年は暴れないように体をシートで拘束された状態で、椅子に座らされ、母親が少年の両足を押さえ、他の二人の女性が少年の手を押さえた状態で他の信者らが輪になって少年へ祈祷をささげたという。
Hemphill氏は、いずれにしても彼は苦しんでいた様子はなかった、と話しているが、少年の祖母は「彼らが坊やを殺したのよ。坊やが死ぬまで押さえつけたんだわ、、」と話している。少年の母親はもともと3ヶ月前に同市の病院で今回事件の中心となった教会のメンバーに出会い、息子の病状を話したところ、教会に招待され祈祷を行うようになったという。単なる殺人事件と見る事も出来るが少年の確かな死因が不明であるために事件は波紋を呼んでいる。
【参考】エクソシストの真実 | バチカンからの使者
映画エクソシストの元になった事実 | 黒魔術(人と悪魔)
【資料】[CNN/1999]1614年以来初、バチカンによる除霊儀式書の改訂
【お勧め】エクソシストとの対話:実在のエクソシストへの取材