【CNN】イエスの弟ヤコブの骨を収めたと言われていた納骨箱がこのほど、イスラエルの研究団によって贋物であると鑑定された。納骨箱の側部にはアラム語で「ヨセフの息子にしてイエスの兄弟、ヤコブ」と描かれている。 しかし今回鑑定にあたったイスラエルの古物研究者Shuka Dorfman氏の発表によれば、納骨箱の年代自体はほぼ正しいものの、描かれている碑文の年代は比較的新しいものであるという。「箱自体は確かにその時代のものである可能性が高いですが、文字は誰かが宗教的な価値を高めるために古代文字を真似て書き足したものでしょう。」と話している。
また箱に使われている石もイスラエル産ではなく、キプロスかシリア北部から切削された可能性が高いという。 箱の所有者であるOdedGolan氏はこの発表に対し、「あくまでも本物であると信じている。委員会の奴らが調べる方法を間違えたんだろう。」と今回の発表を否定している。
氏は1970年代中頃、この納骨箱をイスラエルの古物商から200ドルで購入。しかし古物商の名前は思い出せないと話している。納骨箱は紀元前2世紀から1世紀頃までユダヤの家庭で愛する者がなくなった際にその骨を収める箱として利用されていた。また多くの学者がイエスなる人物が実在したことを認めてはいるが、紀元1世紀頃の彼の存在を裏付ける物的証拠は何ら発見されていない。
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