【CBSNEWS】スーダン南部にて"ノディングシンドローム"と呼ばれる奇病が発生し、医師たちを困惑させている。感染者の一人、マーサ・ハリムちゃん(13)はこの謎の疾病にかかって以来、まずモノを食べることが恐ろしくなり、そしてそれから川や池、月や火といったあらゆるものに対して恐怖を抱くようになってしまったのである。彼女の両親はマーサちゃんを病院へ連れて行き、そこで欧米の医師から癲癇(てんかん)患者用の薬を処方されたが、一向に改善の効果は見られず、その後両親は何か悪いものでも憑いているのではと疑い、霊媒師のアドバイスに従って奇妙な儀式まで執り行うなどしたたが、その病気は一向に改善する兆候を見せず、混乱を深めているのである。マーサちゃんは取材に対し、その得体の知れない疾病の様子をこう語っている。「それは黒い雲みたいなものが人の形をしてやって来るの。私にわかるのはそこまでで、後は気がつくといつも床に倒れているの。」
マーサちゃんが苦しむこの奇病は"ノディングシンドローム"と呼ばれる現在のところ、南スーダン特有の奇病である。この疾病にかかった者は、食べ物を見ると急に視界がもうろうとし始めるという奇妙な症状を患い、その後症状がひどくなると発作を起こし、やがて精神が崩壊するか、死に至ってしまうのである。
昨年マーサちゃんは料理をしている最中に発作を起こし大怪我を負った事もある。彼女は右足の膝から足先まで至る火傷を負ったのだ。彼女の父親、ニーン・マジャク氏は既にほとんど諦めている、病院の薬も魔術師のおまじないも効果はなかった、と語っている。
この謎の疾病はこれまでに300人程の患者が発見されており、しかし原因も治療法も分からない為に専門家の頭を悩ませ続けている。そしてマーサちゃんが発症して1年が過ぎた2002年、ついにWHO(世界保健機関)が調査に乗り出したのである。
「調べ始めて、非常に興味深い出来事があった。少女に現地の食べ物を見せると、やはり陶酔症状に陥ってしまったんだが、アメリカから持ってきたキャンディーだとかそういう現地の食べ物以外を見たときはその症状が出なかったんだ。これは何かを示唆しているかも知れない。」この調査に当たるWHOの派遣医、神経毒専門家ピーター・スペンサー氏は語った。またこれまでマーサちゃんは多数の医師や霊媒師にまで診て貰ったが、何ら効果は無かったとピーター氏に訴えたという。
ある現地の霊媒師は数年前、落雷により亡くなったマーサちゃんの叔母が彼女に取り憑いていると主張した。その後、マーサちゃんの両親は彼のアドバイスに従い、村全体を上げて儀式を執り行い、羊を生贄として殺したこともあったという。また違う霊媒師は彼女に取り憑いたものを追い払う為に、親子で森に行くように命じたこともあった。
「その霊媒師は俺たちに黒ヤギと鶏を連れて森に行って、そこでアリ塚にトンネルを作って、中を3回這って通るようにって言ったんだ。もちろん、俺たちはそうしたよ。それで一緒に連れて行った黒ヤギと鶏も生贄としてそこで殺してね、、、。もう分かるだろう?娘はほとんど死んだも同然なんだ。結婚することも出来ないし、どうせ病気のせいで死ぬんだよ。もしこれでダメならば、もう俺たちに出来ることは娘が死ぬのをただ待つことだけなんだ、、、。」父親のマジャク氏は語った。
しかし、専門家はそれでも直る見込みはある、と話している。これまでにWHOが行った調査では、今回のこの奇病は"ナカランガ症候群"に関係しているのではとの推測も出ているという。"ナカランガ症候群"とは発作症状と発育阻害、そしてしばしば陶酔症状などを引き起こす、かつてウガンダで流行した伝染病である。
しかしまた、これまでのスペンサー氏の調査では、まだ特に明白な環境的原因も見つかっておらず、また先の食べ物に関する発見も残念ながらそれが原因と関係しているは思えない、と語っている。
「別の発見としては、この疾病にかかった多くの人々が、この地域で遊牧的な生活をしているディンカ族(スーダンの一部族)とは全く違う生活スタイルを送っていたという事だ。ディンカの人々にこの疾病を患った人はいないんだ。」スペンサー氏は語った。
またスペンサー氏は他にもひとつの可能性として、「猿を食べたこと」が原因として考えられるのではないか、と推測している。事実、アフリカではチンパンジーからエボラ出血熱が人間に感染し、またエイズも別の霊長類から人間に感染したという説もあるからである。
「この謎の疾病の謎は必ず解決できると思っている。後は費用と時間の問題だろう。絶対にHIVのような事態にはさせないよ。この疾病に苦しむ子供たちの姿を見れば、これ以上、感染を広めるようなことは、絶対にしてはならないと思うはずだ。」スペンサー氏は語った。
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ダウンタウンDXで、的場浩司が、「ゴム男」を見た、と言っていたが、あれも、この話と同じように、彼(的場浩司)の「脳」の機能不全系な問題じゃないのかなぁ? どうだろうか。
「脳」の機能不全系たぁ、酷いこというね。
この病気の興味深いところは、現地の食べ物にしか
反応しないこと。おそらく、地元の文化に深く根付いた
病気なのだろう。
こういうのはどう?
彼女が食べ物として物を認識した時に
生じるある種の神経内信号が
何らかの病原体におかされて
脳の機能不全系な問題を引き起こしている
的場はシンナーのせい
そうですね、狂犬病も水を怖がる(様に見える)症状が出るそうですね。
「食べる事」や「食べた事のある物」として脳が認識した時に出る症状と考えると、やはり「地元文化に根付いた」病気なんでしょうね。
ゴム人間の話はある種フォークロアに通じる部分もある気が。妄想・幻覚・嘘とは違う何かを感じます。あの話大好きですし。