【THEAGE】オーストラリアはメルボルンのモナシュ大学研究グループの調べによれば、長年科学者達を当惑させてきた「バミューダトライアングル」の謎は海底から立ち上る巨大なメタンガスの泡塊が船を沈めるのではないかと結論されたとのこと。今年9月にアメリカの物理雑誌に掲載されたこのレポートはモナッシュ大学ジョセフ・モナガン教授と受賞学生デヴィッド・メイ氏らによって発表された。
レポートによれば、博士らは、今回の試論はもともとスコットランドの東岸沖で巨大なメタンガスポケット(メタンが結晶化されたメタン・ハイドレートと呼ばれる水和物・写真参照)の側に沈没した置き網漁船を発見した事からヒントを得、バミューダ海域においては、数千年に渡り海底に蓄積し、突如噴出されるメタンガスの泡塊によって船が沈められているのではないかと結論したという。
「海底に巨大なメタンポケットがあるっていうことは長い間知られて来たわけですが、それが何らかの刺激や、あるいはそれ自身の巨大な内圧によって爆発するという可能性は十分に考えられます。」Josephジョセフ教授は語る。
しかし仮に、その試論でもってで船の問題が解決されたとしても、バミューダ海域においては古くから航空機の墜落も多数報告されており、この試論でその事実は説明がつくのだろうか。
その疑問に対し、ジョセフ教授の助手、メイ氏は次のように語っている。
「バミューダ海域には、昔からメタンガスが存在することで知られています。そして噴出されたガスが船の沈没原因となりえる事は我々の研究と実験が既に実証しました。更にそれは航空機墜落の原因にも成り得るんです。巨大なメタンガスの塊が航空機を直撃した場合どうなると思いますか?メタンガスは超高熱のエンジンに接触して、一気に爆発する訳です。」
実はこうした海底からのガス噴出による危険は、油田開発のプラットフォームなどでは既には広く知られた事実である。その為、例えば万が一作業中にメタンポケットを刺激した場合、どのように対処するかという安全対策はそうした作業現場では十全な準備が成されている。
しかし、今回博士らの実験の契機となったスコットランド沖の漁船事故のケースを見ても明らかな通り、海洋業者の人々全てメタンポケットに対する知識を持っているわけではない。また事実、その後スコットランド沖150kmの地点で行われた海底調査の結果、海底には多数の爆発可能性を持ったメタンポケットが存在する事が明らかになっている。
2000年に撮影されたあるドキュメンタリ番組ではこれらメタンポケットの姿(「魔女の穴」とも呼ばれる)、そしてその中央部に沈没した船の残骸が記録されている。番組では1890年から1930年に建造された全長22mの大型漁船が水平に、そして無傷で海底に沈没している姿がはっきりと映し出されているのである。
そして今回、ジョセフ教授らのシュミレーション実験によって、巨大なメタンガスの泡塊が、確かに船を沈める可能性を秘めていることが実証されたのである。
また助手のメイ氏は、実験当初、小さなアクリル製の船を作成し、様々なサイズのガス泡と噴出位置を試すことで、船とガス泡の関係性を調査したという。その結果、ガス泡が船の直下に当たった場合、比較的事故は起きにくいものの、ガス泡が船の端部に当たった場合はかなりの確立で沈没することが明らかになったという。
「ガス泡が海面に達する時、水面が山のように盛り上がるわけです。それで沈没が発生するわけですね。つまり、ガス泡によって水の表面が盛り上がり、船はちょうど波間の谷にいるような形になるんです。そして浮力を失った船は一気に水に飲み込まれてしまうというわけです。」
ジョセフ教授はそう語っている。
【参考】メタンハイドレートは地球を救えるか? | メタンハイドレードで人類殲滅は可能か?
石油公団:「期待の新エネルギーメタンハイドレートって何?」メタンハイドレートの概要
【参考2】原子力百科辞典 ATOMICAより
メタンハイドレートは、高圧・低温の下で生成されたメタンのガス分子が、水分子の中に閉じ込められて氷状(シャーベット)になっている固体結晶である。メタンハイドレートの中にはガス体積の170倍のメタンガスが含まれている。永久凍土層や、大陸の氷床中や、深海地層中に分布していることが知られている。日本近海の深海地層中には天然ガス国内消費量の100年分以上の埋蔵量があると言われ、将来のエネルギー資源として期待されている。
初書き込み。
一桁GETw
何かの雑誌にも載ってたけど、これが一番可能性がたかいみたいですよね・・・
分布MAPでも作れないのかな?