【Independent】今月はじめ、ナイジェリアのデルタ州パタニ地区にて、男性三人のペニスが相次いで消失するという「ペニス・パニック(※)」が発生したとのこと。パタニ地区の代表ウゲリ氏によれば、他地区から侵入した呪術師らによって、パタニの男性三人のペニスが立て続けに消失したという。被害者の1人、ウフォマ・ユリウス氏(24・現在入院中)は、その日、ホテルのレストランで友人二人と食事をしていたところ、突然呪術師がレストランに現れ、まずレストランで働くボーイのペニスが消えたと語っている。
「ホテルのレストランで食事をしていた時、その男(呪術師)が入ってきました。彼は食事を終え、支払いのためにボーイを呼んで彼に500ナイラ程支払うと、突然、ボーイが震えだし、ペニスがなくなったと叫びだしたんです。ボーイは怯えきって”俺のペニス、俺のペニスが”とわめきながら、私に触れました。すると私も急に寒気を感じて、ペニスが消えてしまったんです。そして私も他の人に触れてしまったため、結局三人の犠牲者が出ました。私たち三人が叫び声を上げたために、周囲にはすぐに人だかりが出来ました。」
その後、ペニス・パニックを引き起こした呪術師オビンナ・エロケ(24)は、丁度群衆の中に居合わせた兵士によって拘束され、警察署に連行されたという。更に事件に関与した可能性があるとして、アヴェン地区の若い呪術師数人もレストラン付近で逮捕され、警察に連行されている。
また伝えられるところによれば、ペニス・パニックが発生した頃、フライデー・オヴヲモジョウホなる男性が、被害者らの農場で女性を襲撃、しかし現場に居合わせた若者らによって拘束され、警察に連行されたという事件も発生している。パタニ警察署では、現在呪術師数人を拘束し、調べを進めているとのこと(写真は2001年、アフリカ西部のベニンで発生したペニス・パニック時の暴動)。
ペニス・パニックは”コロ(koro/性器収縮症候群)”によって引き起こされる集団ヒステリーである。コロの患者は生殖器が身体の中に吸い込まれていくような幻覚的症状を生じ、更にこの幻覚的症状は他者に”伝染”するため”ペニス・パニック”という一種の集団ヒステリーを発生させる。
よく知られたペニス・パニックは1967年にシンガポールで発生したもので、その際は数千人の男性がペニスを失うという大規模なペニス・パニックに発展した(この事件はパニック抑止のため、政府による報道規制が敷かれた)。
またアジアやアフリカの発展途上国では今日でもしばしペニス・パニックが発生し、アフリカでは魔女や呪術、アジアでは幽霊や憑きものがその誘因となるように、文化拘束症候群(文化的背景、社会環境と関連し、発症の仕方が地域によって異なる症候群)の典型例であると見る向きもある(写真は1985年中国広東省で発生したペニス・パニックの被害者)。
- Penis panic - Wikipedia
- Little Green Men, Meowing Nuns and Head-Hunting Panics: A Study of Mass Psychogenic Illnesses and Social Delusion
- BBC News | AFRICA | Benin alert over 'penis theft' panic(2001)
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