【TMH/etc】『2000年、ナイジェリアにて「男のペニスを盗んだ魔女」として群衆に糾弾された女性が逮捕された。逮捕時、その女性は暴徒化した群衆によって服を脱がされて裸にされ、リンチされた上で警察のところに引きずられたという。そしてリンチを行った人々は女性を指して「あの女が魔術で男のペニスを盗んだ!」と警察に直訴したのである。群衆はただ「ペニスを盗まれた」と話して股間を痛そうに掴む"被害者の"男性の言葉を信じて疑わず、誰ひとりとしてその男性のペニスが本当に盗まれたのかを調べたものはいないのだ。そして警察もただ群衆の言葉を鵜呑みにするように、何ら事実確認を行わずに女性を魔女であるとして逮捕したのである。』
これは今から4年程前に実際にナイジェリアで発生した事件である(注1)。一読しただけでは到底わけの分からないこの異常なニュースは一体何を意味するのだろうか。一体何故、女性はリンチされなければならないのか。そして何故、男性は「ペニスが盗まれた」などと訳の分からないことを話すのか。そして何故、群衆はそれを信じるのか。この奇妙なニュースの最後に、記者はこう付け加えている。"ナイジェリアでは、昔から握手や魔女の呪文によって、男性のペニスが盗まれるという伝承がある事は広く知られている"。
つまり、これは初めてではないのだ。こうした「ペニス泥棒リンチ事件」はそれまで何度にも渡ってアフリカで発生していた出来事なのである。では、男が訴える「盗まれたペニス」とは一体何なのだろうか。この事件を知るある学者は言う。「この事件はコロ(Koro)患者達の妄想が引き起こした典型的なペニス・パニックである」と。
このコロと呼ばれる症状が発症した患者は自分のペニスや睾丸が「盗まれた」または「どんどんしぼんでいく」あるいは「身体の中に吸い込まれていく」といった奇怪な妄想を抱くようになる。またこの疾病の患者は大抵の場合が男性であるが、稀に女性が発症する場合もあり、その際はペニスでなくヴァギナや乳首が喪失したり、身体の中に吸い込まれて行くことを妄想するという。
コロはこれまで古今東西を問わず、世界各地で古くから確認されているが、最も古いものはおそらく中国で紀元前300年頃に著わされた古書「黄帝内径(黄帝の養命術を著わした書)」の中に「縮陽(Suo-yang)」という名で登場している。またその他にも世界各地の文献において、様々に名を変えて「ペニス喪失の物語」は民話や伝承として登場しているのである。
コロは遥か古代から民話や伝承として語り継がれているが、現代でもアジアやアフリカで稀に局所的な流行を見せる事がある。比較的最近起こった有名なケースとしては1967年、シンガポールで発生したペニス・パニック(注2)がある。
当時、コロが流行した地域では「身体にペニスが吸い込まれる」という妄想に取り憑かれたたくさんの患者が病院に殺到したという。事件を記録したシンガポールの医学誌によれば、このペニス・パニックの発端は、当時、コレラに冒された豚肉がペニスの縮小を引き起こすという噂が発生し、それに伴ってこのペニス・パニックが発生したという分析結果が報告されている。
また同様のケースとして中国広東省にてコロが流行した際には、コロ発生の前後に、現地の民話に残る「狐狸精(Hu-Li-Jing)」と呼ばれる「美しい女性に化けるペニス泥棒の狐の精」が度々目撃されたという噂が流布している。つまり、アジア圏ではそうした土着的な迷信がコロの流行と関係していると推測することが出来るだろう。
アフリカにおけるコロの歴史は、そうした民話的なものではなく、黒魔術と関連づけられて語られることが多く、他の地域と異なりペニスが収縮するという妄想よりも、ペニスが盗まれるという妄想を抱くケースが多い事が特徴であると言えよう。
またアフリカにおけるペニス喪失の歴史は文献が非常に少ない為に明らかではないが、冒頭に上げたようなナイジェリアのケースの他、ベナン(注4)やガーナにおいても度々ペニス窃盗事件やそれに付随したリンチ事件が報告されているように、現代でもそうしたパニックは度々発生しているようである。
特に1990年にナイジェリアで発生したケースでは、ペニス泥棒と疑われた男性が群衆のリンチに合っている最中、「ペニスを盗まれた」被害者=コロ患者達が「(ペニス泥棒がリンチにあったことにより)ペニスが戻ってきた!」と叫ぶ、即ち「リンチによるペニス回復」のケースも報告されている。
患者達はリンチの最中に群衆に向かってズボンを降ろして「戻ってきたペニス」を皆に見せ、「しかし、これは新しく置き換えられたペニスで、ゴーストペニスとでも言うべきものか、いずれにせよ、間違ったものである」と群衆に打ち明けたという。
一方欧米やヨーロッパ、中東では、アジアやアフリカの社会的な症候群とは異なり、ペニス喪失はより個々の精神障害と関連づけられて語られる事が多い。ここ数年、アメリカで報告されたコロ患者三人のケース(注3)では、全員がマリファナを吸引した後に「ペニスが吸い込まれるような妄想」に襲われたという事が報告されている。
またこれらのケースを分析した医師によれば、この場合のコロは、本来的に存在していた形、大きさ、長さといったペニスへのコンプレックスがマリファナの吸引によってしばしば起こる「バッドトリップ」によって誇大妄想化され、「ペニス縮小の妄想」として発症したという推測を述べている。
またイギリスの精神医学誌に報告されたギリシャのキプロスのコロ患者のケースでは、患者はやはり「自分のペニスが身体の中に埋没していく」という妄想に襲われたが、このケースでは男性が元々持っていた鬱病気質と精神病が「ペニス喪失妄想」と関係づけられて結論されている。そして男性は医師から安定剤などの向精神薬を処方され、妄想を和らげることに成功したと報告されている。
このように鬱病や精神分裂、エイズや脳卒中への恐怖による精神不安定と併発してコロが発生したとみられるケースはこれまで数多く報告されており、うちいくつかのケースはコロについて予め知識があった人物が、その後何らか別の疾病による精神不安を引き金としてコロを発症したと言われるケースも多いことは興味深い事実である(しかし当然コロについて知識がなくコロを発症した患者もまた多いことは事実である)。
心理学者のフロイトは人間の人格形成においてある時期に「去勢不安」を体験すると主張している。今日の心理学ではかつて程この説は支持されていないが、しかし、この「ペニス喪失」を妄想するコロという疾病が、ある種の性的不安、コンプレックスと直結した心理的妄想の暴走であるとみる事は、これまでの事例から察しても不自然な事ではないだろう。
果たしてこうした推測が本当にコロ発症のメカニズムを説明するかどうかは現在明らかではないが、身体へのコンプレックス(特定の部位が嫌いといった)が、何らかの精神病が引き金として、妄想に至るという事は決して有り得ないことではない。
また先に上げたナイジェリアのケースのように「ペニス喪失妄想」が社会的パニックとなって現れる場合はその背景となる環境 - まだ迷信深い社会背景が深く関わっているため、即ち文化拘束症候群(文化的背景、社会環境と関連し、発症の仕方が地域によって異なる症候群)の典型例として見る事も可能である。
しかしこうした二つの推測は凡そ個々人におけるコロ発生過程と社会現象としてのペニス・パニックが発生する過程を別個に説明する物であるため、いかにしてその二つが組合わさるのか、未だ確たる理論はないのである。
【参考】(注1)Witch stole man's penis | (注2)IMH Our History | (注3)Cannabis-induced Koro in Americans | (注4)BBC : Benin alert over 'penis theft' panic
(事件の概要)ベナンにて魔法を使ってペニスを盗んだとされる人々に対し、集団が暴徒化してリンチを加え、少なくとも5人が死亡。内一人は切り刻まれ、他4人(うち三人は外国人)は身体を燃やされたという。また暴徒の一団は通行人や記者団に対しても襲いかかり、うち報道カメラマンの一人も殺害された。ベナン当局では公安部隊を派遣して鎮圧を計っている。現地では握手や魔術によって男性のペニスが盗まれるという迷信が昔からあるとのこと。
【参考2】黄帝内経—中国古代の養生奇書 | フロイト「制止、症状、不安」 | 文化拘束症候群とは何なのか
このサイトがペニス・パニック。というのはさておき、日本ではkoroの事例はほとんど全くといっていいほど紹介されてませんね。(なぜなんでしょう?)ゆえに資料も少ないので勉強になりました。
逆に【ペニスが大きくなる】とか【何本も生えてくる】って妄想もありそうな気がする。精神障害のきっかけになるほど男すぃ〜にとっては重要なモノなんだな・・。そりゃ重要に決まってるか(^_^;)
へぇ~・・コロ?の患者って、日本にもたくさんいるんですねぇ。てか、ちんこネタもネタとして認めましょうよ。ね?
見たくなければ見ない自由もあるワケだしぃ。
遊びでちんちんをはさみで挟んでいたら
弁護士の部分を切断してしまってお母さんに
怒られるから必死にくっつける夢を見たことがある。
テーマが違うんですが、チンポネタと言うことで……
あるアダルトビデオ通販のサイトのニューハーフのコーナーに山ほどニューハーフのチンポ丸出しの写真を発見しました。ヘソから上は巨乳美女なのに、チンポのでかいことでかいこと、自分にはそのケは無いと思っていたのに、何故か自然にそのサイトに毎日入り込んでしまっています。
冒頭の「群集に裸にされた女性」は、誰かになんぞ恨みでも買って(陰謀にかけられて)いたのか、
あるいは全くの取り違いでそのようなことに巻き込まれたのか気になります。
後者ならほんと、たまったものじゃない。