【Lycanthropy/etc】リカントロピーという精神病をご存知だろうか。このリカントロピーを患った人間は自らの事を人間ではなく、野生動物(大抵の場合はオオカミ)であると妄想する奇怪な症候群である。このリカントロピーの記録は古く、おそらく最も古いものとしては旧約聖書のダニエル書にて、ネブカドネザル王が自らを狼であると想像して7年間に及んで苦しむ逸話が描かれている。また医学的な記述として最古のものでは、ローマ帝国末期のパウルス・アエギナが人間の獣化現象を初めて症候群として記述し、ギリシャ神話においてゼウスがアルカディアのリュカオーン王をオオカミの姿に変身させる逸話(オオカミ座の由来)について言及している。その後もこのリカントロピーは古代の文献の至るところで登場し、中世の神学者達はこのリカントロピーを悪魔の仕業であるとして恐れたのである。このような人間の獣化現象は世界的に記録が残っており、多くは古代、もしくは近代以前のものであるが、しかし、現代においても中国、インド、アフリカ中、南部などで時に報告される事がある。また獣化現象において対象となる動物は決してオオカミだけではない。患者が妄想する対象はヒョウ、ライオン、象、ワニ、サメ、バッファロー、ワシ、そしてヘビなどと非常に多岐に渡っているのである。
この疾病にかかった患者は精神的な不安に苛まれて幻覚を見るようになり、他人に対して凶暴に振る舞うという特徴があると言われている。また、そうした特徴からこれまでこのようにリカントロピーにかかったと思われる患者の多くが民衆によって捕らえられ、処刑されたという記録も残っているのである。そしてこれらリカントロピー患者は多くの場合、妄想型の分裂病患者だったと言われている。またごく稀にであるが、このリカントロピーは倒錯的な性癖として発症する場合もあるという。(写真は映画"狼男アメリカン/American Werewolf in London"より)
ここに一人のリカントロピー患者の記録がある。この女性(49歳)は精神鑑定において自らの症状を「自分は狼で、爪が生えているような気がする」と話している。彼女はそれまで結婚生活20年を超えた普通の主婦だったのである。しかし、ある時から頻繁に狼の夢を見るようになり、極度の精神不安に苛まれ、「どこかから声が聞こえてくる」と話すなどして、自分自身を制御できなくなるのでは、という不安に常に怯えていたという。また彼女はそうした症状を発症してからというもの、獣姦、変質的な同性愛、不倫などとそれまで見せることのなかった性癖が現れたというのである。
彼女の妄想が異常な行動となって現れたのは、彼女が精神病院に入院する一週間前のことである。その日、彼女と家族が団らんしている最中、突然彼女は服を脱いで全裸になり、狼のように四つん這いになって、彼女の母親に対して求愛行動をはじめたのである。その出来事は凡そ20分間に渡って続いたという。そして更にその晩、彼女は夫と性交に及んだ後、2時間に渡って、まるで狼のように唸り、身体を掻きむしり、ベッドに噛み付いたのである。その後彼女はその時の出来事を振り返り、自分の中に悪魔が入ってきたようだった、強い幻聴に襲われていた、と語っている。また彼女はそのとき一切のアルコール、ドラッグなどは摂取していなかったという。
その後彼女は精神病院に入院し、精神科医のセラピーと、神経弛緩剤を処方されたのだ。しばらくして、彼女の症状は一旦の回復を見たが、三週間後、彼女は再び突然奇妙な事を口走ったのである。「私は夜の狼だ、、。私は狼女だ、、、爪と牙を持ち、毛に覆われて叫び続けながら生け贄を探し続けている、、。私は私であり死後も地球を徘徊するものである、、私は完全と救済を求め続けている、、、。」そして更に、彼女は鏡を覗き込む度、自らの姿に怯えたという。鏡を覗く彼女の目には彼女本来の姿ではなく、まるで別の生き物が見えていたのである。「恐ろしい、、狼のような姿、、。暗くて、深くて、悪と復讐心に満ちている、、、。この暗闇の生き物は生け贄を探している、、、。」
また彼女はその間、それまで決して感じることのなかった特異な性倒錯の症状が現れたのである。彼女はリカントロピーに苦しんでいる間、異常なまでの同性愛欲求、そして禁じがたい獣姦欲求に襲われ、彼女は獣と交わる事を想像しながら何度もマスターベーションを行ったという。また彼女は鏡を覗くたび、そこに本来の自分の姿でなく、狼の姿を見続けたというのである。「自分の身体と首から上が狼の姿に化けたもの、長い鼻と牙を備えて、唸り、吠え、爪と牙を尖らせている。そしてその狼は自分の事を"私は悪魔である"と話している。」そう彼女は語っている。
そして入院から4週間後、彼女はようやく精神的に安定し、退院した。その後も彼女はわずかに以前のような狼に憑かれたような症状を見せたが、既にそうした状況に慣れた周囲の人間によって冷静に対処され、徐々に普通の生活に戻ったという。「私は鏡を見に行きました。でももうそこには狼の目はなかったんです」。
また入院期間中、彼女に対して行われた検査(ウェスクラー知能検査)の結果では、彼女は全く問題のない、一般的な知能を示したという。しかしまた別の検査(ベンダーゲシュタルト検査:幾何学を用いた模写テスト)では彼女の行動パターンに関する先天的な欠落が発見されたと記録されている。
【20kweb】またその他の有名なケースとしては、17世紀にフランスで逮捕されたジャン・グレニエという少年(13)は、フランスの村々の子供達を襲ってはその肉を食べるなどし、逮捕されるまでに50人以上の犠牲者が出たという。逮捕後は警察での取り調べに対し、少年は、ある日森の中で森の精に出会い、そこで狼の毛皮を渡されて、それ以来狼になった、と奇妙な事を話している。
また少年は二人の医師によってリカントロピーの患者なのではとして検査されたが、最終的にはその説は信用されず、裁判によって死刑を宣告されている。また裁判時の犠牲者らの親族の証言では少年が夜中に外を駆け回っている姿や、動物のように生肉を食べている姿が度々目撃されたという。
【参考:Neurology:1998/9】また近年、神経学雑誌Neurologyに発表された論文において、中世に恐れられたリカントロピーや吸血鬼伝説に登場する凶暴で恐ろしいモンスター像は、「狂犬病」にかかった人間がモチーフになっているのではないかという説が報告されている。
記事では、まず狂犬病が大発生した時期(1720年代)と吸血鬼伝説が生まれたと言われる時期(18世紀)が重なる事から出発し、狂犬病ウィルスが感染すると噛まれてから2週間程度で大脳の辺縁系に作用し、かかった人間や動物が外部に対して攻撃的になり、また「過剰な性欲」を示すようになるということを指摘し、こうした症状が狼男や吸血鬼のキャラクターのイメージの元となったのではないかと推測しているのである。
また記事では更に、狂犬病患者の特徴として、狂犬病ウィルスは視床下部(睡眠をコントロールする脳の一部分)に強い影響を及ぼすため、狂犬病にかかった多くの患者が不眠症にかかり、夜中に行動するようになるという事、ニンニクや光といった強い刺激に対し、過敏に反応するようになる事、噛み付きによって感染する事(更に狂犬病の宿主が犬、狼、そして吸血鬼伝説にかかせないコウモリであること)などを挙げ、それらがそのまま狼男や吸血鬼のもつ特徴に繋がると説明しているのである。
しかし、このような狂犬病説が果たして本当に人間の獣化現象を説明するか定かではない。先に上げた女性のケースではその症状こそ狂犬病によって説明がつくかもしれないが、しかし、通常、狂犬病にかかった患者は間違いなくそのまま死亡すると言われているにも関わらず、女性はそうした症状から回復しているのである。つまりそれは彼女の症状が決して狂犬病によるものではなく、何らかの精神病であった事を示唆しているといえるだろう。
またこうした狼憑きの逸話以外にも、アジア圏におけるキツネ憑き、ロシアにおける猫憑き、スカンジナヴィア半島における豚憑きといった様々な人間の獣化現象に関する伝承は世界中に残っているのである。このような獣化現象は非常に稀な現象であり、また、確たる原因は不明である。しかし、そうした現象は確かに存在しているのである。
【参考】Porphyria and Lycanthropy | 感染症の話
そういや、後輩の妹の友達が狐憑きに罹ったって聞いたことがあります。
何でも、気付くと紙に「狐」って書いたりしたそうですが・・・普通に精神異常かと。狐に憑かれて「狐」って書きますかねえ。狐に憑かれていると思い込んでるだけっぽかったので、この記事の女性とは違いますね。
私の息子は3才の頃、ウルトラセブンに取り憑かれていました。「平和を守るッ!」と滑り台から飛び降り頭を打って、そのショックでウルトラセブンの憑依から逃れることができました。
>18
どっちも有り得ないとおもうね。吸血鬼が生物として存在するなら人間とは別の進化をした生物ってことになるんだろうけど、人間の血液を吸わないといきられないなんて非効率もいいとこだし、人間と同じ消化器官はいらないわけだから人間と同じ体格であるわけがない。狼男も、満月の夜に急にボワッと毛が生えるなんて現象があれば狼男の存在以上にビックリする発見だし、他の生物を狩るなら人間よりも普通の狼の体型の方がよっぽど適してる。
>20
エネルギー効率が悪いからこそ、絶滅したのでは?
つまり、もともと存在していたと仮定することは無理ではない。
>>20
>人間の血液を吸わないといきられないなんて非効率もいいとこ
そうか?人間の血液だけでいいんだぞ?
地球には腐るほど溢れてるじゃないか…人間が
狼男は人間が狼を獣姦して出来た生物。
吸血鬼は人間が人間の遺伝子とこうもりの遺伝子を、
交配させて出来たロシアの実験室で作られた生物。
( ゚∀゚)ハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \ ノ \ノヽノヽノヽ八八ハハ
>>5
え〜と、カタツムリ&鳥の寄生虫でそんなのがいる。
そいつがカタツムリに寄生すると眼柄がイモムシそっくりになる。
それだけじゃなく、カタツムリの行動さえコントロールして明るい目立つところに出ていくようになる。
で、イモムシと間違えて鳥が眼柄を食べて、寄生虫はめでたく最終宿主である鳥にたどり着く。
そいつのことじゃない?
まぁ、狂犬病なんかも行動に異常をおこすけどね。
おぼっちゃんそろそろ寝るでガンス!
そうざます、ぼっちゃんねるざます!!
フンガーっ!!!
…。
by怪●くん(不二子不二夫○)
えっ!古すぎてわかんない?
知ってるひとだけきいてちょ♪
>>31
知ってるわよ~ 怪○くんの帽子の中は実はぁぁぁ・・
んでどーでもいいけど字、藤子○不二雄じゃない?
わざとだとしても○意味ないとこにあるし・・・
よけーなお世話?スマソ
>>30
>それだけじゃなく、カタツムリの行動さえコントロールして明るい目立つところに出ていくようになる。
そういえば睾丸の中にも精虫っていう虫がいて
宿主の行動をコントロールして ♀のいるところに出て行くようになるんだよね。
でもその行動をずっと抑えていると、自分から勢いよく出てきちゃうんだよね。
特に夜中とかに。
吸血鬼を題材にした人気同人ノベルズゲーム、「月姫」内で吸血鬼についていろいろな説をとあるキャラが話してる。
作者個人の見解かもしれないが、言われてみると多少なり納得する部分がある。
「血を吸う理由」「何故吸血鬼がいるのか」など。店頭に並ぶ機会、購入する機会は皆無に近いのだが、もし友人などが持っているのならば、是非一度目を通してみるのも面白いかと思う。