【Reuters】ドイツの研究チームが古代エジプトでどのようにして死体からミイラを作っていたかを明らかにしたとのこと。今回の研究はミュンヘンのTuebingen大学の科学者達によって行われ、古代そのままの方法を用いて杉の木からグアイアコールと呼ばれる防腐剤が抽出出来るという事を明らかにし、それを防腐剤として利用していたと結論したという。「科学の力でついにミイラが何故数千年に渡ってその姿を維持してきたかが明らかになったわけだよ。」と同大学のUlrichWeser教授は語る。教授らは杉から抽出した防腐剤を豚のリブ肉に用いてテストし、結果、その高度な抗バクテリア能力による身体組織の保護作用を確認したのである。この発見は今月のネイチャー誌に発表され、これまでエジプト学者の間で信じられてきたようにミイラの防腐剤はセイヨウビャクシンから作られてきたという説を大きく揺るがすものと推測されている。また研究チームはセイヨウビャクシンも研究し、グアイアコールが決して抽出出来ないことを確認したという。Weser教授は古代の文献から「杉ジュース」に関する言及が発見されているにも関わらず、学者達はセイヨウビャクシンを原材料だと考えて来た背景には、セイヨウビャクシンの実を握っているミイラがあった事などによる、と話している。また今回の研究ではプリニウス(古代ローマの博物学者、「博物誌」を著した事で知られる)が用いた方法を参考にして杉から防腐剤を抽出することに成功したという。
【参考】ミイラの作り方 | KHAOSAN HP(犯罪者のミイラ等) | ミイラについて
エジプトでは、ミイラを燃料にするケースが多かった。松脂や瀝青が染み込んでいるミイラは格好の石炭代わりになってしまった。ある話では、蒸気機関車の燃料として使われたり、工場の燃料に使われたと言う記録が残っている。一般家庭でも、ミイラの包帯を燃やして、料理などを作っていたという記録もある。
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