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「トリノの聖骸布」の製作方法をついに解明か

shroud_glass1.jpg【ABCNEWS】この度、米国の男性が、かつてイエスの遺骸を包んだとされる聖遺物「トリノの聖骸布」の製作方法をついに解明したと発表し、議論を呼んでいる。米アイダホ州の高校教師、ネイサン・ウィルソン氏は元来、決して科学の専門家ではない。しかしウィルソン氏は、現代の科学をもってしても再現不可能であるとさえ言われてきたトリノの聖骸布と同等の物を、極めて簡単な方法で作ることに成功、その全貌を明らかにしたという。ウィルソン氏が主張する方法とは、極めてシンプルなものである。

それはまず、ガラス板にペイントを施し(例えば聖骸布の場合ならば、浮かび上がったキリストの姿の通りに)、それをリネン布の上に乗せた状態で、日光に晒して数日間放置する。そして数日後にガラスを取り除くと、ペイントされていない部分は日に焼けて明るくなり、逆にペイントによって日光をさえぎられていた部分は元の布の色が残されるため、それは丁度写真のネガのように - 見事にペイントされた形が浮かびあがるという寸法である(上写真はガラスにペイントを施した様子)。

そしてウィルソン氏はこうした方法は、この布が作られたとされる中世においても全く可能なものであり、即ちこの聖骸布は中世の偽造師による捏造品であると推測している。またウィルソン氏はこの手法をまとめ、キリスト教学者向けの専門誌と自身のウェブサイトに発表したところ、その後氏のサイトには世界各国から膨大なアクセスがもたらされたという。

しかしまた今回の発表を巡り、聖骸布研究者や一部の宗教関係者らからは早速、批判の声も上がっている。

shroud_glass2.jpg「信心深い人々から、大きな反感を買ってしまったみたいです。」そう語るウィルソン氏は、自身には決して信仰がないわけではなく、むしろ福音派の敬虔なクリスチャンであるとし、ウィルソン氏にとってこの聖骸布の真贋は決してその信仰心に影響を与えるものではない、とそれらの批判に弁明している(写真は日光に晒してから10日目、ガラスを外した状態)。

「私自身は、キリストの復活を疑いなく信じる、敬虔なクリスチャンなんですがね。」

聖骸布専門家のダン・ポーター氏は今回のウィルソン氏の発表に対し、その方法を"巧妙なものである"としながらも、実際に聖骸布のサイズ(高さ4.5mと幅1m)の布で、発表された手法を再現するのは凡そ不可能であると否定している。

「たった2,3の手順で聖骸布と同じようなものを作ることは不可能です。本当に再現可能であることを示すならば、それが聖骸布のもつあらゆる基準を満たさなければ証明されたとは言えません。」

またポーター氏は特に、これまでの検証でも確認されたとおり、布に顕れた姿は明らかに何らかの化学反応によるものであり、単なる日焼けによるものではないと反論している。

shroud_glass3.jpg「ウィルソン氏の仮説の問題点は、もし日焼けによってそうした姿が浮かび上がるとするならば、一度はそうしたイメージを浮かびあがらせることに成功したとしても、その後必ずイメージ自体も光に晒されることよってフェイドアウトしていくという点です。即ち例えその姿が現れたとしても、それはその後、他の部分と同様に光に晒されることで、背景と溶け込んでしまうはずです。聖骸布はこれまで何度か一般にも展示され、その都度日光に数日間に及んで晒されたりしたこともありますが、決してそのイメージが消えうせていないことが何よりの証拠です。」(写真は上、10日目のものを反転表示させた状態。実際のトリノの聖骸布の写真などはこちら)

また更に、ポーター氏や他の懐疑論者らは、仮に聖骸布がウィルソン氏の方法で捏造可能であるとしても、中世において高さ180cmもの大きさのガラスを作ることは出来なかったのではないか、と指摘している。

トリノの聖骸布は1988年にC14炭素測定法によって検査され、実際に布が作成された年代は1260年から1390年頃であると特定された。しかし昨年、米ロスアラモス研究所のレイモンド・ロジャー博士らは98年の調査時にサンプルとして使われた布は、中世以降に修繕された(※)部分の布であったことを主張し、別の方法で検査を行った結果、その年代紀元前3000年から1300年頃であると発表している。(※聖骸布はこれまで幾度にも渡って火災に巻き込まれ、その都度焼け落ちた部分が修繕されている)

またウィルソン氏は今後、この理論をもとに小説を書き上げる予定であると話している。ウィルソン氏によれば、おそらく中世、何らかの捏造師らが誰かの墓を暴き、そこから古い布を取り出した上で、死体を用いて磔にされたキリストの身体を研究し、聖骸布を捏造したのではないかと推測しているという。

「いずれにせよ、それに関わっていた奴らはかなりの悪人だと思いますね。」ウィルソン氏はそう語っている。


【参考】ShadowShroud: ウィルソン氏のサイト | トリノの聖骸布の謎

【関連】「トリノの聖骸布」に新たな調査結果、中世捏造説は誤り
トリノの聖骸布 - その布はイエスを包んだか

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