【BBC】この度、ポーランド及びエジプトの合同発掘調査団により、「世界最古の学府」と称されるアレクサンドリア図書館が発掘されたとのこと。このアレクサンドリア図書館は紀元前300年頃、プトレマイオス一世によって世界各地の文献の収集を目的として建設された世界最高の図書館である。多くの思想家や作家の作品を収蔵し、その数は凡そ70万巻に上ったと言われている。しかしその後、火災により蔵書のほとんどが焼失し、更に後世の略奪や侵略によりやがて建物自体も歴史の闇の中に埋もれてしまったのである。今回の発掘発表はエジプト考古学会最高評議会議長ザヒ・ハワス氏によりカリフォルニア大学にて行なわれ、ハワス氏によれば、発掘された図書館の遺跡はそれぞれ中心部に講師がレクチャーを行なう為の立ち台を持つ13の講堂からなり、全体で5000人程度の学生を収容出来る規模であったことが明らかになったと話している。
「地中海全域でグレコローマンの遺跡からこのように大規模な講堂が発見されたのは今回が初めてです。おそらくこれは世界最古の大学なのではないでしょうか」。ハワス氏は語った。
またカリフォルニア大学のウィリク・ウェンドリッチ教授は今回の発見は正に驚くべきものである、とその発掘の重要性を語っている。
アレクサンドリアは古代に学問の中心として栄え、その後の西洋科学の誕生へも貢献したと言われている。また同建築が発見されたナイルのデルタ地域はかつてラコティスと呼ばれる小さな漁村であった。しかし、その後アレクサンダー大王が首都移転先としてその地域を選び、紀元前320年には首都として非常に強い影響力を持つ巨大な都市へと発展し、やがて世界七大不思議の一つに数えられるファラオの灯台、そして今回発掘されたアレクサンドリア図書館などが建設されたのである。(写真は1980年に復元された図書館)
そして世界から集められた膨大な文献は、正にその時代の知識を集約したような世界最大規模の図書館へと発展した。その中にはプラトンやソクラテスの書いたものや、アルキメデスが発明したスクリュー型の揚水ポンプ(それは現在でも使われている)などを含んでいた。
またそうした発展から同地域は学術研究の中心地となり、エラトステネースは地球の直径を測り、エウクレイデス(ユークリッド)は幾何学の法則を発見したのである。更にプトレマイオスが執筆したアルマゲストはその後の1500年間に渡り、自然科学の分野において最も強い影響力を持つ大書となった。
しかしその後、アレクサンドリアはおそらくユリウス・カエサルの征服によって焼かれたと言われており、現在ではそれらの書物はほぼ全てが失われている。
【参考】アレクサンドリア - 知の灯台| 古代アレクサンドリア図書館 | 数学史